
4千円代で買えるエアコキライフルAGM M14。
値段の割に可変ホップだし、個体によっては初速もそこそこ飛びもまぁまぁ。
こんな感じなので、つくサバとTEDさんで流行りかけているシロモノです。
但し、個体差が激しく当たり個体を引けば上記の様にある程度満足できますが、0.25gで初速50チョイ、ホップも掛からず撃てば右に左になんて物もあります。
開けてイジって分かったのはヘンテコリンな設計のチャンバーとスプリングの長さが最短130ミリ最長180ミリ(4丁比較)という適当さ加減。
しかし、眠っているポテンシャルの高さに気が付きました。
ぶっちゃけVSRレベルまで持っていけます。
ただ、これを実現するためにはノズルの加工やホップテンショナーの自作など、カスタムビギナーには難しい加工があるので、それらを一切なく組み込めるようにしたのが、このキットです。
カスタムビギナーは、給弾と発射の際に各パーツがどの様に影響し合っているかが分かるので勉強にもなると思います。
精度の要のインナーバレルとチャンバーパッキンはVSR準拠のものを使用しますので、これはご自身でご用意下さい。
準備
※1 弾棒とは、こんなものです↓ノズルとパッキンのクリアランス調整に必須です。

作り方は簡単で、どこのご家庭でも余っているクリーニングロッドとBB弾を使います。
ロッドの端を切り飛ばし断面に針金大の穴を開けます。同様にBB弾にも穴を開けます。
お互いの穴に瞬着を流し込み針金を刺して結合させます。
これでOK
面倒な人は買って下さい。
https://gaw-airsoft.shop-pro.jp/?pid=133838596
同梱物の確認

①ノズル(加工を失敗した場合に備えて予備でもう一つ入れてます)
②ホップテンショナー
③クッションゴム
④インナーバレル固定リング1
⑤インナーバレル固定リング2
⑥シリンダー引き代調整パーツ
⑦初速調整リング2mm,3mm,6mm,9mm
⑧ボルトハンドルカバー
チャンバーの制作
純正チャンバーの分解(写真撮り忘れました)
1,純正チャンバーから純正インナーバレルを引き抜きます。
2,引き抜いた後、チャンバーに残っているスリーブをピックツール等を使って引き抜いて下さい。ピックツールが無い場合、スリーブは同梱(インナーバレル固定リング1)されていますので、ニッパー等で破壊して取り除いても構いません。
3,残った純正チャンバーパッキンを取り除きます。
インナーバレルにチャンバーパッキンをセットし、7cm程度に切ったシールテープをパッキンの外周に巻いて下さい。
※本作では宮川ゴムの一撃を使用しています。マルイ準拠のパッキンなら問題ないと思います。
※長掛けパッキンでのテストはしていません。

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シールテープを巻いたパッキンをゆっくり回転させながらチャンバーにねじ込んで行きます。
緩すぎてもキツすぎてもダメです。
シールテープがヨレない限界のテンションを探して下さい。
奥まで挿入出来たら、インナーバレルの縦の切り欠きとチャンバー下部の突起の位置を合わせて下さい。

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次に、インナーバレル固定パーツの装着ですが、これは純正のものが使えれば使う必要はありません。私の個体のリングがガバガバだったので作りました。
内径がタイトなので、すり合わせ必要です。
インナーバレルにギギギッって入れるくらいでちょうどよいです。
スリ過ぎてガバガバにしないように注意して下さい。

ギュッと押し込んで完了です。
インナーバレルの切り欠きにハマる様には作ってないので、この状態でもインナーバレルは回ってしまいますので注意して下さい。

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次に、インナーバレルの前後のブレを抑えるインナーバレル固定リング2をインナーバレル突端にセットします。
このインナーバレルはVSR-10 Gスペック用(L=303mm)なので突端から3mm程度下げた位置になっています。
とりあえずセットしておきます。
ここの固定は一番最後なので、インナーバレルの項目は一旦これで終了です。


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ホップテンショナーの組み立て
同梱物のホップテンショナーを確認して下さい。
赤矢印部分の突起の造形が不均一だった場合は、ヤスリで形を整えて下さい。

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同梱のシリコンチューブを5mmの長さに切り、さらに縦に半分に切ります。
まっすぐに切れるよう慎重に作業して下さい。
一度失敗しても良いように2個作れる分の長さが入っています。
3度目はありません。(モノタロウで外径3mm内径1mmのシリコンチューブを買うか、つくサバに遊びに来たときに私におねだりして下さい。)

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半分に切ったシリコンチューブを写真のように瞬着でホップテンショナーに取り付けます。
シリコンチューブを半分に切ったときに、断面が大きい方と小さいほうが出来てしまったら、大きい方を取り付けて下さい。
ホップテンショナーの幅が4mmなので、余った部分は切り落として下さい。

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ホップテンショナーと押しゴムは平行になるように取り付けて下さい。
ここはキモ。

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チャンバーのノズルが入る部分の上側にテーパーを付けます。
コッキングしてノズルを戻す際にノズルが上を向いてしまう現象がありまして、その際、ノズルの段差がチャンバーの入口に引っかかってしまうのを防ぐためです。

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ホップテンショナーの接着が乾いたらチャンバーに取り付けます。
ホップテンショナーを押すアームが左右にずれるので、私は左0.3mm右0.2mmのシムを入れて調整しました。
気休めなので無くても大丈夫だと思います。

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シリンダー加工とカスタムノズルの組み立て
カスタムノズルは純正より長く、そのままだと後退量が足りずに給弾出来なくなります。
そのためシリンダーのフレームに当たる部分を切断して後退量を確保する必要があります。
シリンダーは画像のとおりに切断すると切りすぎでした。+1mm程余裕を持って切って下さい。
後ほど細かい修正をします。
★切断長さが足りないと給弾しない
★切断長さが多すぎると二重給弾する
※切りすぎてもリカバリーは出来ます。

ここも1ミリ程余裕をもって切って下さい。

ノズルはこの通りで大丈夫です。

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次に、同梱のノズルを加工していきます。
チャンバーにスムーズに入るように外周をスリスリして下さい。

チャンバーにスルスルっと入って、奥のパッキンにヌルっと入って手で押すとそのテンションを感じるくらいが適正です。

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次にノズルの切断をします。
ノズルをチャンバーにセットしたらノズルを手で軽く押して、その状態でノズルの外周にマーキングして下さい。

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マーキングした位置で切断します。
この時、マーキングを残すようにして下さい。

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切断面のバリを取り、ノズルにスポッとハマるくらいまで内部をスリスリして下さい。
壁厚が非常に薄くなるので、スリスリしすぎると穴が空くので注意です。


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次に、カスタムノズルをシリンダーノズルに被せ、セットしたチャンバーに挿入します。
シリンダーを前に押して、カスタムノズルをパッキンの所定の位置まで押し込んで下さい。
この時、写真のようにシリンダーと隔壁の間に1ミリ前後のクリアランスが出来ると思います。
このクリアランスが無くなるまで、カスタムノズルの底部を少しづつ削って短くします。
削りすぎるとノズルとパッキンの密着が甘くなってしまうので注意して下さい。


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ノズルの後退量の調整
ノズルの後退量を調整します。
フレームにチャンバーとシリンダーをセットし、シリンダーを最大まで後退させて下さい。
この時、弾棒を給弾口から挿入してスムーズに入るか確認して下さい。
ノズルに当たって入らない場合は、シリンダー底部とシリンダーの突起(赤矢印)を少しずつ削って合わせます。
削りすぎてノズルが後退しすぎると二重給弾が発生してしまうので注意です。
弾棒のBB弾がノズル突端にギリギリ触れるか触れないか位で調整所ましょう。

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さて、シリンダーを削りすぎてしまったアナタ(私)
写真のようにアルミ板を切って貼り付けましょう(赤矢印)
肝心な部分なのできちんと脱脂して表面を荒らして二液のエポキシ系の接着剤で強固に貼り付けて下さい。
シリンダーの突起(黄色矢印)の可動範囲をアルミ板で制限する考えです。
緑矢印はノズルの後退量が丁度よい位置にテープを張って目印を付けている所です。
※アルミ板は1ミリの物を使用しました。厚すぎるとマガジンの装着に難が出る可能性があります。

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増えたノズルの後退量に対応するため、コッキングパーツに嵩上げ部材を接着します。

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インナーバレルの固定
インナーバレル先端の固定リングをフレームの隔壁まで前進させ、その位置で接着固定して下さい。
これがないとインナーバレルが前進してしまいます。


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最後の調整
すべて組み上げてホップ調整まで終えて下さい。
ホップ調整が終わったら、以下の調整(確認)をします。
弾棒をインナーバレル側から挿入し、BB弾の保持位置を確認して下さい。
ノズル長が足りないことは無いと思います。
BB弾がパッキンに突っ込みすぎていたら、ノズルの先端を少しづつ削って調整して下さい。

その他
コッキングハンドルリターンスプリングに熱収縮チューブを被せると、バネ鳴りが解消できます。※同梱されていません。

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同梱のコッキングハンドルは装着する向きがありますので注意して下さい。


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・初速調整リングはピストンの中に入れて下さい。
・純正スプリングが極端に短く(130ミリ~150ミリ)初速調整リングを入れても初速が上がりきらない場合は電動ガン用のスプリングが使用できます。インナーバレルの長さによって初速が変わるので何とも言えませんが、VSR10 G-SpecのインナーバレルだとM110位が目安になると思います。
お疲れ様でした!
M14の良いところ。
コッキングして手を離せば次が撃てるので、VSRより速射性に優れます。
フレームの中の重りの量と位置で重量バランスを変えられます。
本体が4千円台なので失敗しても良いやくらいで気軽にカスタムが出来る割には、成功するとVSR並みの弾道が得られます。
かっこいい。

パーツを紛失してしまったらDMして下さい。
皆さんの健闘を祈ります!
どれもホームセンターで安価に購入できます。
・ヤスリ(平、丸or半丸、)
・リューター(無ければヤスリでも全然OK)
・ニッパー
・ピックツール
・ピンセット
・プラスドライバー小、中(セットになっているものでOK)
・デザインナイフ(無ければカッターでもOK)
・シールテープ
・瞬間接着剤(ゼリー状)
・2液タイプエポキシ系接着剤(使わなくて済むよう祈ります)
・弾棒(※1)(無い方は買うか作りましょう!今後も色々と役に立ちます)